日本の女子バスケットボールリーグ「Wリーグ」の人気が急上昇している。2024-25シーズンの観客動員数は前年比180%増を記録し、新規スポンサー企業も続々と参入。女子スポーツ市場の成長が、日本のスポーツビジネス界で大きな注目を集めている。
観客動員数が大幅増加
日本バスケットボール協会(JBA)の発表によると、2024-25シーズンのWリーグ平均観客動員数は約2,800人に達し、前シーズンの約1,000人から大幅に増加した。特に東京羽田ヴィッキーズと富士通レッドウェーブの試合は、5,000人以上の観客を動員する人気カードとなっている。
パリ五輪効果が後押し
この人気上昇の背景には、パリ五輪での女子バスケットボール日本代表の活躍がある。日本代表は準々決勝まで進出し、世界トップレベルの実力を証明。これを機に女子バスケへの注目度が一気に高まった。
スポンサー収入が300%増
Wリーグには、この機を逃さず大手企業がスポンサーとして続々と参入している。IT企業、飲料メーカー、金融機関など多様な業種から10社以上が新規スポンサー契約を締結。リーグ全体のスポンサー収入は前年比で300%増加すると見込まれている。
スポーツマーケティング会社の調査によると、女子バスケットボールファンの70%が20-40代の女性で、購買力の高い層にリーチできることが企業にとって魅力となっている。また、SNSでの拡散力も高く、費用対効果の高いマーケティングチャネルとして評価されている。
リーグ運営の持続可能性へ
Wリーグ機構の高橋理事長は、「女子スポーツの価値が正当に評価される時代が来た。選手の待遇改善とリーグ運営の安定化を実現し、持続可能な成長モデルを確立したい」と語った。
世界市場でも急成長
デロイトの予測では、世界の女子スポーツ市場は2025年に約3,500億円規模に達する見込み。日本でも女子バスケを皮切りに、女子サッカーや女子野球など他競技への投資拡大が期待されている。
今後の展望
Wリーグは2026年からの新リーグ体制移行を計画しており、プロ化の推進やメディア露出の拡大など、さらなる市場拡大に向けた施策を準備している。女子スポーツビジネスは、日本のスポーツ産業における新たな成長エンジンとして注目を集めている。