AI搭載スマートスタジアムが日本初導入 横浜スタジアムで実証実験開始、観客体験の革新へ

AI搭載スマートスタジアムのイメージ

横浜DeNAベイスターズの本拠地である横浜スタジアムで、AI技術を活用した「スマートスタジアム」の実証実験が2025年11月7日から開始された。この取り組みは、観客一人ひとりに最適化された観戦体験を提供することを目指しており、日本のスポーツビジネス界において画期的な試みとなる。

スマートスタジアムシステムの概要

スマートスタジアムシステムでは、AIが観客の購買履歴や座席位置、過去の観戦行動などを分析し、個別化されたコンテンツや飲食物の推奨を行う。スマートフォンアプリを通じて、リアルタイムで選手の詳細データや試合展開の予測情報も提供される。

DeNA執行役員の佐藤健氏は、「AIとデータアナリティクスを活用することで、スタジアムでの観戦体験を根本から変革したい。ファンが求める情報やサービスを先回りして提供することで、リピート率の向上と収益増加の両立を目指している」と述べた。

導入される主な機能

実証実験では、以下の機能が導入される:

  1. AIチャットボットによる座席案内と施設情報提供
  2. 混雑状況のリアルタイム可視化と最適な移動ルート案内
  3. 個別化されたグッズ・飲食推奨
  4. AR技術による選手情報の立体表示
  5. 試合展開のAI予測と解説コンテンツ

日本のスポーツビジネスのデジタル変革

スポーツテック専門家の鈴木美香氏は、「日本のスポーツビジネスがようやくデジタル変革の本格フェーズに入った証拠。海外ではすでに導入が進んでいるが、日本語での自然言語処理やきめ細かいサービス設計は日本ならではの強みになる」と評価している。

今後の展望

実証実験は2026年3月まで継続され、その結果を基に本格導入が検討される。成功すれば、他の球場やスタジアムへの展開も予定されており、日本のスポーツ観戦文化に大きな変革をもたらす可能性がある。

記事提供
日経スポーツビジネス
著者
鈴木花子
公開日
2025-11-07